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2005/05/11

風-BLOW-硝子の街にて(19)

【今日読んだ本】:
風
(柏枝真郷/講談社/(2005/3/5))
悪夢ではなく、現実なのだ……
その日。二機の旅客機がツイン・タワーに激突した。ニューヨークを描き続けてきた著者、渾身の鎮魂歌。

「硝子の街にて」は、ニューヨークを舞台にした推理小説シリーズです。
 主人公がBLなのでBL小説とジャンル分けされてもおかしくないですが、どちらかといえばBLよりも推理小説のイメージが強いです。

 ですが、この19巻だけは、いつものシリーズとは違います。

 --2001年9月11日。

 たぶん、いえ、きっと、世界中の人々にとって忘れられない日だと思います。

 そして、実際に起きた世界情勢や事件などをふまえながら書かれてきたこのシリーズにも、「あの日」が来たのです。

 この本には、いつものような殺人事件や事故はまったく出てきません。
 ただ淡々と「あの日」が、現実のノンフィクション部分とメイン登場人物それぞれの視点の双方で描かれています。
 逆に、シリーズキャラクターの視点を織り交ぜることで、あの日が如実に物語られている、読んでいてそう思いました。

 実を言うと、この本をご紹介するのがこれだけ遅れたのは、読んだ後の読後感がとても重かったからです。
 重いといっても、ただ重苦しいわけではなくて……というか、軽々しくは語れない、というのが一番近いかな……。

 一読して、私も「あの日」のことを思い出しました。
 あの翌日、MLに投稿した記事を、多少捕捉して、ここに上げます。



 昨日は火曜日で、定番の「プロジェクトX」が「姫路城再建」だったので、前から楽しみにしていました。
 番組が終わったところで携帯が鳴ったので、TVの音を消して、電話してきた友人と話を始めました。
 その間に、TV画面は気象情報になり、そのまま「ニュース10」が始まり……。
 その「ニュース10」は冒頭から煙をもうもうと立てている貿易センターが大写しになっていました。

 電話で会話しながら(TVを見ない人だったので、特にTVの会話はなかった)、思わず「へ?」と他チャンネルをザッピングしても、テレ朝も台風情報だし、他局はニュースをやってない。
 ですから、最初は事故かと思いました。
 またNHKに切り替えて、でもあまりのことに食い入るように画面を見ていて……そのLIVE映像中に2機目が突っ込んだんです。

 ……もう絶句しかありませんでした(-_-;)。
 さすがに携帯の相手にとにかくTVを見るように言い、電話を切りました。
 しかもその後、国防総省にも飛行機が突っ込んだというニュースが飛び込み……。

 その時点で他局をザッピングしたら、さすがにもう「報道特別番組」に切り替わっていました(民放を見ていたという職場同僚の話では、最終回ドラマ放映中にテロップが流れ、いきなりドラマをぶち切ってニュースに切り替わったそうな)。
 その後ずーっっとNHKを見続け、画面の中で砂の城が崩れるようにツインビルが倒壊した時は、現実感がまるでなく、まさに映画でも見ているようで、却ってゾッとしました。
 そのうち気づいたら1時半を回ってしまっていて、慌てて床につきました。
 もし翌日が出勤日でさえなかったら、たぶんそのまま見ていたかもしれない。

 朝、しっかり寝坊してしまったんですが、被害情報がひどくなっているのに目を取られ、支度に手間取ったおかげで、いつものバスに乗れなかった(;_;)(言い訳だけど)

 今日の朝日新聞夕刊によると、このニュースにパレスチナ自治区の難民たちは歓声を上げ、機関銃で祝砲まで撃ち上げたそうです(-_-;)。

 サウジアラビアのあたりでは殺人事件の動機の第一位が「名誉を傷つけられた報復」だという新聞記事を読んだのは随分前のことなのに、未だに「敵を滅せ」を実地にするとは……。
 考え方と宗教・習慣の違い……と言い切るにはあまりに悲惨なことを……。

 飛行機で自爆したテロリストは、自分が大儀を成した達成感と幸福感で突っ込んだんだろうな……。
 多くの人命を道連れにしたことも、大儀達成の必然的生け贄としか考えなかったんだろうな……。

 ……なぜ、人間はかくも愚かなんだろうか。

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コメント

私も読んであの日を思い出しました。
当時勤務していた会社の創設記念日でお休みの日。夜ニュースステーションを見ていたらいきなり画面がCNN LIVE に切り替わった。キャスターも最初は訳が分からず「事故か?」とコメントしている間に2機目が突っ込んだ。そのまま朝まで殆んど眠らず繰り返し流される画面と被害状況の報道を聞いていた記憶がある。
今でも思い出すと口の中が苦く、胃が重く感じられてしまう。
「宗教・信仰」は本来人を救う為のものであるはずなのに、何故このような事をその神の名の下に行えるのだろうか。テロリスト達には、自己満足の為に自らの神の名を唱えるのが冒涜だとは分かっていないのだろうか。

投稿: おーにし | 2005/05/13 午後 03時41分

同じ宗教の信者を死に向かわせ,自分達は安全な場所で命令を下しているテロの首謀者達にとって,「宗教・信仰」は便利な道具でしかないのだろう.でも,それって,兵隊や自衛隊員をイラクに派遣するどこかの国の政治屋(政治家じゃない!)とどこが違うの?(テロリストを弁護するわけじゃないが)

投稿: エディ | 2005/05/19 午後 12時51分

>おーにしさん
ホントに……あの晩はとにかく「なんなんだ?何がどうなってるんだ?」と、ただひたすらTVを見続けるだけでした。
神のために……というのは単なる大義名分で、ただの逆恨みと、宗教に殉じたという自己陶酔にすぎないと思います。
そして、信者をそう騙してる指導者はニセモノでしかないです(-_-;)。

>エディさん
テロの指導者も政治屋も、自分達は正しいと思い込んでいる、という点では同じかも。
ただ自衛隊の海外派兵の是非については、自衛能力のない丸腰民間団体が行く方が馬鹿げてると思います。
行かなくて済むに越したことはないけど、現実問題として。
でもそもそもはテロが悪い(原因がどうであれ)んですよね。
不満が解決しないから、自分らの言い分が通らないからと、邪魔する同胞(自国民・同イスラム信者)が犠牲になっても構わないとテロを起こす連中なんて、誰にも支持されるはずがない。

投稿: 速水 | 2005/05/21 午後 08時20分

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